冬のアイス
冬のアイス
「原田、なにやってんの?」

声を掛けられて睨んでたアイスのショーケースから顔を上げると、クラスメイトの相原くんが立ってた。

「あ、いや、アイス食べたくなって。
お姉ちゃんがお金あげるからついでに買ってきてって」

「ふーん」

視線をショーケースに戻すが、せわしなく泳いでしまう。

冬の夜。
さっきまで寒さを感じていた身体はいま、熱くてたまらない。

……あ、しまった。

徒歩五分のコンビニ。

誰にも会わないだろうと、パジャマのジャージに防寒重視できてきた適当なコート。

こんな姿を相原くんにみられるなんて。

「……相原くんはなに買いに来たの?」

「シャー芯と消しゴム。
あと菓子適当」
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