命短き、花初恋。









「あ、お母さん。」








「桜…」








「久しぶり。」








「そうね…お父さんの葬式以来だものね。」








「うん。」








私が入院して2日目。








お母さんが来た。








私が入院したのは、








海の見える、地方の病院だった。








「いいところね…」








「うん。」








「細く、なったわね…」








「ご飯、食べられなくって。」








「そう…」








「お母さん。ありがとう。」








「え…?」








「お母さんが、ここまで育ててくれたから。」








「そんな事…」








お母さんは涙を零す。








そして、私を抱き締める。








「嫌よ…どうして、桜なのかしら…」








「お母さん…」








私も釣られて、涙を零す。








「お母さん、桜の側に居るからね…」








「ありがとう…」
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