命短き、花初恋。

僕が向かったのは図書室だった。








僕の行っている学校の図書室はかなり図書








室の本が充実している。








人もまばらで、静かで過ごしやすかった。








あ、今日もいる。








｢図書委員さん。こんにちは。｣








｢あっ…こんにちは。｣








彼女は水元 桜。








桜、とかいて｢ちえり｣読むらしい。








控えめで、華奢な彼女は








僕のお気に入りだったりする。








クラスのキラキラした女子とは大違いだっ








た。








｢ねぇ、この本知りませんか？｣








｢あ、えっと、こちらです。｣








僕は彼女の小さな背中を追いかける。








長い黒髪の間から見える白い首筋がなんと








も色っぽい。








｢こ、こちらです。｣








｢ありがとう。｣








僕は目当ての本を棚から丁寧に取り出す。








僕ら椅子に座り、本を開く。








ページをめくる度に香る、本の匂い。








とても落ち着く。