Love Birthday‥~約束~


涙を拭った中嶋先生は、数秒前の顔とは違い強い瞳をしていた。


「ここからは元実習指導者として話すから、よく聞いてね」



え……?


驚いて目を大きくした俺から体を離し、中嶋先生は言った。



「障害を持つってそんなに恥ずかしいこと?
患者さんたちをそんな目で見てるの?
だったら最低だよ。
最低の理学療法士だよ!!」


一気に言われた俺は、何も言えないまま中嶋先生の瞳を見ていた。


早口で途中聞き取れなかった部分があるけど、
中嶋先生が伝えようとしていることはわかった。

痛いくらいわかった。



「ちゃんと自分と向き合って、
ちゃんと彼女と向き合って。
じゃないと……私、吉田君を嫌いになっちゃう」



中嶋先生は言い終わった途端に下を向き、
「言っちゃった」と呟いた。




中嶋先生は、全てを知ってたんだ。


俺が悩んでること

苦しんでること

愛実を忘れられずにいること。


それでも、俺と一緒にいてくれたんだ……。



言葉に出来ないほどの痛みが俺の胸を襲った。











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