‐部恋。 Round 02‐


公園に到着して、
3つの土管を
三角に積んである頂上に
腰をおろした。


夜風が気持ちいい。

少し寒い、
そのくらいが丁度いい。



夜空の星を眺めていると
自転車を漕ぐ音が
後ろから聞こえた。


振り向くと
少しはにかんだ勇介が
自転車を止めて
私の方に向かってくる。


私は土管から降りて
土管を背に勇介に
笑顔を向ける。


『さっき電話で話してたのに
 こうやってすぐに
 会えると緊張する。』


勇介は歩きながら
照れくさそうに
私にそう言った。


「…うん。
 あたしも
 違和感 感じるもん。」


目の前には勇介。

小さく笑ったと思ったら
そっと体を引き寄せられた。


私はそんな優しい腕に
答えて背中に手を伸ばした。

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