‐部恋。 Round 02‐

―――――…

私は授業が終わると一目散に下駄箱に向かった。

体育が終わった生徒で混雑するなか、友達と教室に向かう桜井くんを見つけ出すことができた。


『あ、長川先輩。こんちわー!』

桜井くんと同じクラスの後輩部員たちが続々と挨拶するなか、私は何人か部員を引き止め、捕まえた。

「あたしね、桜井くんにちょっとだけ用事があるんだけど…、前にいるから引き止めて私のところ連れてきてくれない?」

私がそう言うと、部員たちは顔を見合わせてニヤリ。

『えっ、何で桜井なんですか?勇介さんに叱られますよ(笑)?俺たち、浮気の手伝いなんか出来ないっすよ。』


あー、もう、ややこしい!!(笑)


「いいからとにかく連れてきて!!」

私が桜井君くんを指さして部員たちに指示すると、部員たちは大笑い!

そんな騒がしい団体に桜井くんは振り返ってこっちを見ていた。


「あ!!桜井くん!!」

私は思わずそう叫んで手招きをすると、桜井くんは首を傾げながら私の元にやってきた。

『先輩!ほんとに桜井と知り合いだったんすか!?』


「いいから君たちは教室に戻ってなさい;」

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