おいしい話には裏がある
咲里と別れ、横断歩道が青になり渡る。

横から右折してきたクルマのブレーキ音。

びっくりして動けなくて、立ちすくむ。

ヤバい!ひかれる!

キキーッてすごい音がして、目の前でクルマが停まった。

こ、腰が抜けた。

その場に座りこんでしまった私。

心臓バクバクいってます。

本当に恐いときは声もでないって、本当なのね…。

慌てて出てきた運転手さん。

「大丈夫かっ?!」

金髪のブラックスーツの男の人。

よく見ると、ハイ、黒塗りのレクサス。

もう一人、メガネをかけた知的そうな人も助手席から出てきた。

「お怪我ありませんか?」

手をさしのべてくれたんだけど。

腰が抜けて立てません。

後部座席から、明らかにそっち系のお兄さんも登場。

二人よりも少し若く見える藍色の髪の毛の美形さん。

彫刻のようなキレイな身体つき。

ヤバい。絵に描きたい身体!

あっ。すっかり今の状況忘れてた。

「お前、大丈夫か?」

『あっ、大丈夫です!ちょっと腰抜けただけなんで。』

「だけ…って。それ、大丈夫じゃねーじゃん。」

『そうですか?』
< 25 / 53 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop