おいしい話には裏がある
雪杏は不思議そうに、こちらを見ながら…って、顔近づけてきた!

本気か?

柄にもなくドキドキするオレ。

中坊か!

『…んっ。ハイ。』

可愛い口が少し開いて、真っ赤な頬に潤んだ瞳を見たら…そりゃ、がっつくよな。

夢中でキスしちまった。

苦しそうにオレのジャケットを握りしめる手も愛しい。

チョコがなくなっても離せない。

少し唇を離して、「まだチョコ食べてもいいか…?」って耳元で囁くと。

雪杏は少し息切れしながら。

『はぁ…。うん、あーくん食べて?』

…ヤバいヤバい。

おさまらねぇ!

場数だけは踏んでるけど、オレ初恋だった。

気持ちがあるのとないのでは、全く違うことを実感する。

そのままソファーに雪杏を押し倒す。

もう、我慢できねぇ。

さらにかぶりつくようにキスを続ける。


なんか、遠くから声が聞こえる。

「わぁかぁ~!おーきーてー!!朝だよ~!」

邪魔すんのは誰だ!

「おーいっ!」
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