お前なんて好きじゃねぇし。
第1章*友達な関係
放課後のオレンジ色に輝く教室。
ドキドキしながら俺、由良雛斗(ゆら ひなと)はある人物を待つ。
教室の窓から外を眺めて、深呼吸をする。
葉桜が風に舞ってざわざわと揺れる。
それが余計に俺の緊張を駆り立てる。
——ガラガラッ。
その時、教室のドアが開かれる音がして、大きく息を吐いてからゆっくりと振り返る。
「どうしたの?」
俺を見るなり、すぐに声をかけてきたのは堀名咲姫(ほりな さき)。
俺が待っていた人物である。