お前なんて好きじゃねぇし。
甘さと苦みの日常
「おいノロマ。
邪魔だから早く歩けよ」
「ちょっ!」
校門を通り過ぎたところで、思いっきり背中を押される。
こんなことをするのは1人しかいない。
もう誰だか分かっているけど、振り返って文句を言う。
「朝から何なの!?
ほんっと気分悪いんだけど!!」
「時間がない朝から目の前にノロマがいるほうが気分悪いだろ」
「まだ始業まで余裕なんですけど!?
それに道は広いんだから、黙って追い越せばいいでしょ!」
「朝から血の気の多いやつ……」
欠伸をしながら私の隣に並ぶやつ、由良雛斗に持っているスクバを思いっきりぶつける。
それが見事腰に命中して、のけぞるような形になった。
ふぅ、スッキリした。