離婚前提策略婚。【改訂版】
カウントダウンの始まり

龍一の真意

「やはり何か企んでいるようだな」

「そうですか?わたしには普通の反応のようにも見えましたが…」

「だからお前は甘いんだ」


会社から帰宅の車中。龍成と別れた龍一と麻友は、神妙な面持ちで会話を続ける。


「だっていきなり孫だなんてあなたが言い出したら、あの子があんな反応をするのもわかる気がして…」

「いや、あの反応はどう見ても子供を作る気など元からない。こちら的には非常に助かる。あの女との孫など御免だ。そうなる前に別れさせなければ」

「純粋に新婚生活を楽しみたいのでは?」

「あの女とか?あいつが?そんなことあるわけがない」

「でもそれならどうして華乃さんと結婚なんか…」

「これだけ見張っていてもわからんのか?」

「ええ、仕事は真面目にしていましたから…。でも千葉専務の思惑通りにならなくて本当に良かったわ」

「千葉の話をしたからには躍起になってもらわないとな」

「本当に驚きましたわ。あんな強硬手段……。あなたがいない間にと急いだんでしょうね。前の龍成ならきっと取り返しのつかない写真を撮られていたでしょう」

「それも怪しい。あいつが急にここまで変わるとは…」
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