離婚前提策略婚。【改訂版】
「ハンバーグから始めようか。始めに玉ねぎをみじん切りにして」

「み、みじん?」


なんか調理実習で聞いたことがあったような。


「細かく切ることだよ。上から横向きに切れ目を入れて、今度は横から入れて、最後にこっちの向きから切るとすぐできるよ」

「え?え?え?」

「華乃ちゃん、こっち!」

「えっ?どっち?!」


……な、なんか出だしから不安……。




──────



もうすぐ夜になろうとしている頃、ようやく出来上がり片付け終えた。


できた料理はタッパーに詰めて準備完了。

お姉ちゃんの手を借りながらもなんとか形になったから、龍成が食べてくれることを祈る。


「お母さんが帰ってくる前に行かなきゃ。ありがとね、お姉ちゃん!またお願いするわ!」

「うん。いつでもおいで」

「いつでもって、お姉ちゃんほとんど向こうの家に行ってるでしょ」


昼間は大抵婚約してる彼の家に行っているお姉ちゃん。適当に来たらいないでしょ。


するとお姉ちゃんの表情が曇りだした。


「……華乃ちゃん。あたしね、もしかしたら結婚しないかも」

「…え?」
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