離婚前提策略婚。【改訂版】
離婚への始まり

龍成の思考

最近、たまに華乃が料理をするようになった。

味は微妙なままだったがあの華乃が作ったと思えば、形になっているだけで意外と食えるもんだ。

俺の為を思って作っていると考えれば尚更。


つーか俺、まじであいつの父親かよ。娘の成長を喜んでるみたいじゃねぇか。


「龍成、取引先の会社名は残り全て覚えたんだろうな」


社長室内にある応接室で俺は親父に缶詰めにされていた。

麻友ちゃんは会議中。


「無理だろ。どんだけあるんだよ。主要取引先だけで充分じゃね?」

「何を甘ったれたことを言っている。全てを把握しておかないと挨拶など出来ん。昨日の挨拶もひどいものだった。この馬鹿息子が」

「昨日だけで何社まわったと思ってんだよ。頭おかしくなるっつーの」

「お前の頭がおかしいのは元からだ。そのおかしい頭に何が何でもたたき込め」


…このやろ。


「代表。お言葉ですが、俺の頭がおかしいのは代表譲りかと」

「戯言を言っている暇があるならさっさと覚えろ。来月からは会議にも参加させるからな」

「ご遠慮しておきます」

「…千葉の横領が明確になった」
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