離婚前提策略婚。【改訂版】
幸せへの始まり

龍成の決心

「…何の用ですか」

「お久しぶり。なんだか元気じゃなさそうね」


…誰かと思ったら華乃の姉ちゃんかよ。驚きすぎて逆に冷静になったわ。

奏のやつ、俺が寝てるのをいいことに勝手に玄関に入れやがって…。って、あいつの家だからあいつの勝手か。


そうじゃねぇよ、なんで華乃の姉ちゃんがここに?もう離婚して三ヶ月近いんだけど。

ちっ、寝起きで頭回んねぇ。


「で、ご用件は?つーかどうやって来たんだよ」

「わからない?少し考えれば察しはつくでしょう?」

「んーと、ここを知ってるのは麻友ちゃんと親父くらいだから……。いや、わかんねぇ」

「思ったより賢くないのね。お互い余計な雑談はしたくないと思うから用件だけ話すわ。あなた華乃ちゃんが好きなんでしょう?」

「──。」


なんだ?用ってそれか?

離婚してから三ヶ月経ってんだぞ?なんでこのタイミングで?

ここに来たってことは、わざわざ親父か麻友ちゃんに聞いたってことだろ?そこまでする意味がわかんねぇ。
< 433 / 461 >

この作品をシェア

pagetop