離婚前提策略婚。【改訂版】
結婚の始まり

龍成の挨拶

「初めまして。神田龍成と申します」


桜庭家に到着。

スーツでキメてきた俺に、向かうところ敵なし。

リビングにはあいつの母親らしきおばさんと女が二人。まじであいついねぇのかよ。


「かっっ…!カッコいい…っっ!!」

「こら、來乃!失礼でしょう!」

「だってお母さん!かっこよすぎるよ!こんなイケメンが華乃姉と結婚するの?!信じらんない!!」


こいつは妹か。素直でよろしい。妹は可愛げがあるんだな。


「お姉ちゃんと結婚するから俺は君の兄になる。これからよろしくな」


計算づくした俺の笑顔。この顔に落ちない女はいない。


「おっ…お母さん、あたしやばい…。ノックアウト…」

「來乃ったら!…でもわたしもときめいちゃった!素敵な方ね、莉乃」

「…そうね」


…この女…。


随分いい女だな。あいつと少しも似てない。麻友ちゃんが言ってたのって、姉の方じゃねぇか。 この女なら納得できる。


「華乃の姉の莉乃です。よろしくお願いします」


仕草から雰囲気まで完璧な女。こいつとなら結婚できねぇわ。
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