その唇で甘いキスをして…
夕方仕事を抜けて
ジョウに会いに行って一緒に食事をした。

今夜はハルさんが帰る前に仕事に戻ろうと思った。

カオルの出張中にハルさんに逢うのは心が咎める。

アタシはジョウに

「ごめんね。
今日はお仕事忙しいから行かなきゃいけないの。

また明日来るね。」

と言って別れた。

ジョウが寂しそうに手を振って
後ろ髪を引かれる思いだった。

アタシがカフェに戻ると
週末でカフェは賑わって居た。

忙しくしてると閉店間際にハルさんが来た。

「あ…。」

「忙しそうだな。」

「どうしたの?ジョウは?」

「今夜は元々仕事で遅くなるから
シッターさんに泊まりを頼んでる。」

ジョウのシッターさんは赤ちゃんの時から
アタシと一緒にジョウを育ててくれた人だ。

ジョウにはおばあちゃんみたいな人で
アタシにもお母さんみたいに色んな事を教えてくれた。

もう1人はその人のお孫さんで20代の男の子だ。

子供が大好きでジョウと仲良しだった。

泊まるときは必ず彼も来てくれる。

他に家政婦さんが2人、離れに住んでる。

普段はハルさんのお母さんのケイコさんと
お姉さんのリョウコさんがいるけど

ケイコさんはハルさんのお父さんの療養に付き添って静岡に居て
リョウコさんは海外で仕事をしていて
今はほとんど向こうで暮らしている。

だからジョウはシッターさんを家族みたいに慕っていた。

アタシはジョウに捨てられたくなくて毎日逢いに行った。





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