JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
そうして次の日。

仕事を終えると、前日に用意した荷物を持って響の家に向かった。



再び渡されてた合鍵を使って、中に入ると…

部屋で生首に出迎えられて、今さらビクッと驚いてしまう。


ふいに。

初めてここに来た日から、過ごした日々が甦って…



ここを出て1ヶ月半しか経ってないのに、なんだかすごく懐かしく感じて…

胸が暖かいもので締め付けられる。




そして…


「おかえりなさいっ」

遅い帰宅をした響を出迎えると。



「…っ、憧子さん来てたんだっ?

ごめんっ遅くなって…
連絡くれればよかったのにっ」

その人は驚いて一瞬立ち尽くしたあと、嬉しそうにそう戸惑う。


「ううん、驚かせたくて。

それで、ね?
今度は安心して送り出してもらえたんだけど…

また一緒に暮らしちゃ、ダメ?」

響の口ぶりを真似てそう訊くと。


途端。

きつく、きつく、抱き締められる。



「全然いいよっ。
いいに決まってる…

ヤバい、嬉しすぎるっ……


おかえり、憧子さんっ」



おかえり…

そうここは、もう私の帰る場所なのだろう。



「っ、うんっ…

ただいま、響」






こうして。

身代わりの恋人から本当の恋人に、身変わりした私たちの…

新たな生活が始まった。


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