JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
「どしたの?」


突然かけられた声に。
ビクッ、とPTPシートをシンクに落とした。


「あ、ごめん脅かし、て…」

すぐにそれを拾った響が、表示された薬品名を目にしてか、語尾を遅らす。


眠剤だとわかったのだろうか?

内心少し戸惑うと。



「…毎日飲んでんの?」


「…まぁ」

他に、慢性的な頭痛の痛み止めも。



「…もう長い?」


「…

3年、近くかな」


あぁ多分、わかってる…

その質問に、そんな気がした。



「そっか…


辛いね…」


瞬間、何かが弾けた。



「っ…

うんっ…、辛い……」

ぼろっと、不可抗に…


涙が落ちた。




眠れないのは辛い。

果てしなく感じる、動かない時間の中で…
孤独に押し潰されて、どうにかなりそうになる。


かといって、薬に頼らなきゃならないのも情けなくて辛いし。
一生抜け出せないんじゃないかって、不安と恐怖が付き纏う。
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