ifの奇跡
最近の彼の変化から、愛されてるのかもしれない…そう思えるようになったのに。

過去のことは私も水に流したつもりだった…。

今は私だけを見てくれているなら…私も彼と向き合っていこうってここに来て余計に強く思ったのに。


まだキスを続ける2人から目を背け…元来た道を走って戻った。

駅が見える曲がり角を曲がった時、反対側から歩いて来た人に気づかずぶつかってしまった。

背の高い人と正面からぶつかった私は、衝撃で転けてしまった。


痛いのと悲しいのと、相手の人にも申し訳ない気持ちで…ここに来て抑えていた気持ちが一気に溢れ出した。

涙腺が緩んで涙が止まらなくなった。


ぶつかった相手がギョッとしているのが空気で伝わってきたけど

自分で止める事は出来なかった。

ひどい事になっているはずの顔は見られたくなくて…

顔を隠し泣きながら何度も涙声のまま、謝っていた。


「…きみ、大丈夫?……じゃないよね…。」


ぶつかってしまった相手の人が、困惑した様子で声をかけてきた。
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