諦めて恋だと気づく
諦めて恋だと気づく



 朝は、早い方だ。

 だからといって得意ではないから、毎朝眠気との戦いである。


 雪がちらつく中で、除雪車の大きな音を聞きながら、私は足元に集中する。朝早くの道は凍っていることが多く、よく滑るのだ。横断歩道の、あの白い部分とかも気を付けなくてはならない。

 いつものローファーを、靴底がぼこぼこしているものに変えたものの、真冬になればツルツル滑るだろうなと思う。前に派手に転んで大丈夫?と声をかけられたときは、恥ずかしかった。それはなるべく避けたい。


 私の学校は冬になると、女子には黒のタイツかストッキング着用が義務づけられていた。昔はなかったらしいが、あった方が暖かいに決まっている。私も真っ黒のタイツ愛用者だ。

 通学で困るのは、雨だとか台風とか、雪とかである。

 電車が止まればもとも子もない。雨も参る。体もべしょぬれだが、鞄も悲惨なことになる。携帯もだ。そんなときはかわいい模様が入った、プールにでも持っていくようなビニール袋をスクール鞄に被せる。で、両手に抱えて濡れながら全力疾走で家に帰ると、教科書類と携帯はなんとかなるのだ。
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