ラブ×コントロール


「何よそれっ?」


「ははっ、じゃあな~」


「……っ!?」


なっ…なんなのさっ。
私は野球に負けるの?


いや、出会った頃から負けてるけどね。


私のヤキモチの相手は野球なんだろうか…?


廊下の窓からグラウンドを眺めながら、私はそんな事を思った。


そして下駄箱に向かおうとした時、私は両手に沢山の本を抱えていた水内くんを見かける。


私は水内くんに近づいて、声をかけた。


「半分持つよ、水内くん」


「……咲原さん、いいの?」


「うんっ」


「ありがとう、助かるよ」


「ううん」


水内くんが持っていた本を半分ぐらい持って、私達は図書館に向かった。


「今日、本道は?」


「あ―…野球部に」


「そっか、じゃあ一人なんだね?」


「うん、まぁ―…そんな日もあるよ」




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