ラブ×コントロール

卒業試合



そして、
受験が終わり、皆の進路が決まった。


今日は、卒業式。


とうとう高校最後の日。


式が終わり、私は絵美と一緒にグラウンド前にいる。


その理由は。


「キャー!幹野くーんっ」


「本道くーん!」


黄色い悲鳴から少し離れた所で、私達は試合を見る。


グラウンドで、野球部達が3年生の為に卒業試合を開いていた。


カイの高校最後の試合。


カイは夏の試合の時の様な真剣な顔ではなく、少しリラックスしたように楽しんで野球をしていた。


「宇美、みんな楽しそうだね?」


「ねっ?」


本当に…楽しそう。


何だか少し羨ましいよ。


カイ、ずっとここで頑張ってきたんだよね?


私は、カイ達がいる見慣れたグラウンドを見つめる。


カイが、このグラウンドでする最後のピッチング。


何だか、少し思いふけるなぁ…。




< 359 / 364 >

この作品をシェア

pagetop