ラブ×コントロール


夕方、合宿所から帰る野球部達が通るのを見越して、私はグラウンド前の芝生に座っていた。


何故か…


アイツに…カイに言いたい事があったから。


皆が歩いてく中、カイはまだ少し足を引きづりながら一平くんと幹野くんと歩いてきたのが見えた。


「あっ」


私がカイ達の方を向いて立つと、カイ達も気づいたみたいだった。


そして一平くんと幹野くんは、カイだけを残して先に帰って行った。


カイは私の方へ近づいてきたけど、私はカイの足を気遣って先に駆け寄った。


「足っ、大丈夫なの?」


「あぁ…骨にヒビは入ってなかったよ、痛みと腫れがあるからしばらくは安静にしなきゃいけないけどなっ」


「そう…」


「…で、何だよ?またブーブー言うつもりか?」


「今日のあんたに、ブーブー言うつもりなんてないわよっ」


カイはいつもの口調だ。


本当は、悔しい気持ち押さえてるのかな?



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