一匹少女が落ちるまで
仲間
【side 透】



ガヤガヤといろんな機械の音がする中、俺はチャリンチャリンと手を止めずに、コインゲームのコイン入れのところにコインを流しこむ。


ずっとバスケ一筋で、真面目に練習ばかりしてた俺が、まさかこんなところで学校をサボっているなんて。


もう俺の人生は狂ってしまった。



全部


雨宮紫月のせい。


どうせ、理央だって今頃、嘘が父親にバレてボロボロになってる頃だろう。


だって、俺が理央の嘘を親父さんにバラした張本人だし。


学校を休んで1週間。



行くとこなんて特になくて、こんな風にフラフラと過ごしている。


みんなの前で、城ヶ崎を擁護して、挙げ句の果てに『味方』だ、なんて言ってカッコつけて。



格好悪くて学校を休んで、よくわかんないこのイライラを理央の嘘と一緒に親父さんにぶつけた。



戻れねーや、学校。




< 434 / 487 >

この作品をシェア

pagetop