島…君をレンタルしたいカナ
「カナがその会社で働くの反対したい」


「ええ〜〜っ」


自分がそういう企業を受ければ?と言ったのにそれ?
どれだけ我が儘なこと言ってんの!?


「だけど、もう本屋も辞めるって言ったし」


店長や他の人からも「頑張ってね」と言われたんだ。
それに、もうマコト君とも完全に接点が無くなるんだからいいんじゃん。


「俺がカナを雇う」


「えっ…」


「いや、ずっとレンタルしたい!」


「ちょっ、ちょっと…」


私はペットですか!?
そもそも、私は小動物ではないよ!?


「でも、そういう訳にもいかないか…」


クッソーってスゴく悔しがってるんだけど。


「花奈」


今までになく固い感じで名前を呼ばれ、ドキン!と胸が弾んだ。


「はい…」


少し迫力も感じて声が怯えてしまう。
それにも構わず、彼の両手が私の手を握りしめた。


「誰も好きになるなよ」


「は?」


「浮気したら噛み付くぞ」


狂犬?
何バカなこと言ってんの?


「あのね…」


「俺、本気だから」


真面目な目で詰め寄ってくる彼に胸の音が大きくなる。
握りしめられた手の中にある指先が震えてきそうなほど鳴ってる。


「花奈のこと本気で好きだから。誰にも渡さない」


アイツとは同じことしない、ともう一度目を見て言われた。


アイツってつまり、マコト君のこと……?


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