島…君をレンタルしたいカナ
「……今夜、遅くなっても大丈夫?もしかしたら、帰れないかもしれないけど…」


ドキンとする様な言葉を吐かれ、思わずゾクッとしてしまった。


「あ……でも……」


島さんはケガもしてるし、今も何だか痛そうだし。

ドッドッ…と早鳴る胸の音にドギマギしてると、彼の口からプハッと笑いが漏れた。


「何か勘違いしてない?映画のレイトショーでも観に行こうって誘うつもりでいたんだけど」


そっちでもいいよと言われ、慌てて滅相もない!と断った。


「…し、島さんのケガも治ったらでいい!」


また器用にボタンを外されて驚くんだろうな。
それとも、私が彼のボタンを外しちゃうかも。


「今夜は?」


「映画で」


「じゃあ映画館で遊ぶか」


「や、やめて下さい!」


あはは…と笑う彼に冷や汗。
ホントに島さんは侮れない人だ。



「カナ、ハンバーグ食べさせて」


アーンと口を開ける彼をチョロみたいにレンタルしたいっ!!
写メをいっぱい撮って、「可愛い♡」と鑑賞したい。


(あ〜〜ん!焦れるっ!)


島さんの口にハンバーグを放り込みながら早く彼と二人きりの夜が迎えたいと思った。

その時が来たら、彼をスッゴく可愛がってやるんだ。



(可愛がられるのは私だったりして♡)


一人で勝手に妄想に耽った。

島さんのことを、これからもずっとずっと好きでい続けようーーー。



『島…君をレンタルしたいカナ』おしまい。

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