島…君をレンタルしたいカナ
「はいはい、ありがとーね」


背中を押しながら部屋の外へ追い出し、階下から「何事ー?」と聞く母の声に答える。


「何でもないよ。賢太のお節介に怒っただけ」


昨日は散々呆れてたくせに何だ。
世話だって手伝わないくせに遊び相手だけはやるなんて許せない。


「誰がそんな美味しい思いをさせるかっつーの」


怒りを鎮めて顔を覗かせれば、チョロと名付けられてしまったシマリスは、早くも巣箱の中でウトウトしてる。


「やーん、ラブリー♡」


これも写メちゃえ。
そんでもって明後日彼に見せちゃおう。



「生きてて良かった〜〜!」


地獄に仏か観音様だ。


「あ……でも、まだ生きてる人か」


勝手に仏様にしちゃった。
島店長さん、ごめんなさーい。


「リスちゃんもお休み」


一日目はあっという間に終わってしまった。
明日が楽しみだな…と、ウキウキしながら晩ご飯を食べに下りて行った。



< 49 / 157 >

この作品をシェア

pagetop