島…君をレンタルしたいカナ
賢太は「姉ちゃんのご飯を食べずに済んだ」と失礼な喜び方をする。
これでも今夜は得意なクリームシチューを作ろうと思ってたのに。


三人で朝御飯を食べて二人を見送った。
タイヤを冬用に交換してると言い、賢太が母を会社まで連れて行く。


賢太はホントに親思いな弟だ
母に苦労をかけ過ぎないよう、自分で自分を律する。


その点、私はホントにダメダメ。
自活も出来なければ、役にも立たないレンタルペットを連れて帰る始末だし。


それでも、ここ二日ばかり、家族の会話が少し増えた。
今朝もチョロの話題になって、寒いからやれないだろうね…と話し合った。

だからと言ってエアコン付けてやろうか、と言わないところが母だ。
甘やかし過ぎは良くないと思ってるみたいだ。


私は後片付けを済ませて部屋に戻った。
起き抜けよりも少しは温かくなった部屋の中に居ても、チョロは一向に顔を出さない。
ジッと覗いてみれば、巣箱の中でスヤスヤと眠ってる。
大丈夫かな?…と若干気になりだした。

流石に朝から一度も顔を見ないと心配になる。
餌と排泄さえ済ませてくれればまだマシだけど、今日はトイレすらも行ってない。


気になるだけど、それをどうしてですか?と島店長さんに尋ねることもできない。
チョロが顔を出さないというメッセージを送ることで、彼の信頼を損ねたらアウトだ。


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