島…君をレンタルしたいカナ
もしかしてオオカミ?
「何だそれ。サイテーな男だな」


マコト君のことを教えると、島店長さんは明らかに不機嫌そうな顔つきに変わった。

開口一番にそう言い放ち、吐き捨てるように「つまらない奴」と零した。


別れた元カレのことをそういう風に言われると何だか傷つく。バカな男に弄ばれて、しかも挙句に捨てられた風な感じに聞こえてしまったから。


「そうですね…。私も今はそう思ってます」


確かにマコト君はサイテーな人間だ。
でも、私と付き合ってた頃の彼は、ホントに楽しくて面白くて優しかった。

私を甘やかしてばかりで、正社員の仕事を探そうかな…と言った時も、「止めときなよ」と止めてくれた。

自分が私の分も稼ぐから…って、まるで旦那か何かのような口振りで話してた。


「カナを甘やかすのが俺の役目」


それが口癖で、それを信じて付き合ってたんだ。


「大崎さんて、今もその元カレが勤めてる本屋で働いてる訳?」


大方の話を聞き終えた島さんは、ケージを畳み始めた。
背中を向けてるんだけど、何処か機嫌が悪いままで。


「いえ、あの人は人事異動で別の支店で働いてるから同じ店ってワケじゃなくて……」


ジーッと振り向いて見るから何だ?と思い、話すのを止めた。
変なことを言ったかな…と、自分の言葉を思い出してた。


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