江戸女と未来からの訪問者
江戸女の日常
 冬は、囲炉裏で暖を取る。
 
 自在鉤(じざいかぎ)。で吊るした鉄鍋で湯を沸かす。

 その間に着物に着替える。

 そろそろ、よい頃か。

 あち! あち! あちちちち!

 熱いであろう。この鉄鍋め。熱いなら熱いと私に伝えぬか。

 おっと、私としたことが。

 このくらいのことで腹を立てては、ご先祖様の名を汚してしまう。

 いつでも冷静沈着に。何事が起きても動じず。それが我が家の座右の銘である。

 鉄鍋様、かたじけのうござる。もうひと働きしてくだされ。
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