オオカミスイッチ 【完結】
『好きになって欲しくないなら。
 私にかまっちゃ、ダメですよ』

「え?」

先輩は寝転がったまま、私を見つめた。

私も夜空に向かって手を伸ばす。
伸ばした先は、三日月ではなく、星。

星をみつめたまま、私はつぶやく。

『私、惚れっぽいんで。
 すぐに好きになっちゃうんです。
 だから、
 私にかまったら、
 ・・・好きになりますよ』

そう言って、私は蒼井先輩の胸に左手を当てた。

鼓動が。
蒼井先輩の鼓動が、
私の手を伝わって、
心に大きく響きわたった。
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