オオカミスイッチ 【完結】
9.
学部棟を出る。
さっきよりもさらに強い雨が
まだ降っている。

「やみそうにないね」

『降りすぎですよね』

蒼井先輩は持っていた透明の傘をバッと広げた。

「駐車場まで、少し歩くよ」
『ハイ』

相合傘。で、歩き出す。
構内にはまだ多くの生徒が残っていて
チラチラと見られていた。
それも
刺すように
イタイ視線。
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