スパダリ副社長の溺愛がとまりません!
さすがに圭介の話まではできない。トラブルのことだけ話すと、亮平さんは途端に険しくなった。

「まさか、俺のために今日の休みをそのまま取った?」

「えっ⁉︎ ち、違います! 今回は、部長対応の方が良いので、お任せしているんです」

「それなら、いいんだけど……。俺もこの先、お前との約束を守れないことがあるかもしれない。だから、俺との約束を最優先してくれる必要はないから」

「は、はい……」

亮平さんなら、きっとそう言うと思った。だから、疑われても誤魔化しきった方が良かったのかもしれない……。

ヘタに話したから、亮平さんは気にかけるだろうし、出かける前の空気を重くしてしまった。

「じゃあ、行こうか」

身を翻した彼の後ろを、少し離れてついていく。話したことを、今さら後悔してしまった。

私だって、仕事を放って自分を優先されても全然嬉しくない。亮平さんに、今日の約束を優先したと、勘違いだけはされたくなかった。

「亮平さん、仕事は本当に大丈夫ですから。どちらかというと、私が深入りしないほうが良くて……」
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