スパダリ副社長の溺愛がとまりません!
「萌のことなんだけど、突然で驚いたろう? ごめん。彼女は俺の幼なじみで……」

「知っています。貴也さんから聞いていました。私、仕事で浅井百貨店のテナントさんを使ったので……」

「知っていたのか⁉︎」

亮平さんは驚いて目を丸くしている。

「はい。直接お会いしたことはないですけど。それより、手を離してくれませんか? シャワーを浴びたいので……」

と言うと、亮平さんは私を強引に引っ張り自分の方へ引き寄せた。

「バラバンの代表の小島さん、実和子の元カレだったんだな。ビックリしたよ」

亮平さんは、圭介のことがやっぱり引っかかっているらしい。口調は柔らかいけど、私を問い詰めたいと思っているのが、亮平さんの笑っていない目で分かる。

「学生時代のことなんで。彼とは、仕事で昨日偶然再会したばかりなんです」

「仕事で?」

「はい。今日も、お互いここに来ることは知りませんでした。亮平さん、シャワーを浴びたいんですけど……」

と言うと、亮平さんは私を離してくれた。
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