君の声が、僕を呼ぶまで

●最初の音は、小春の一歩

私は弱い。


「小春っち、ごめん…」

だから、華ちゃんを、許せないと思った。

簡単に許せるほど、その傷は浅くはないし、私は強くない。


華ちゃんは、何度も何度も「ごめん」って言った。

私は、その言葉が、どれだけ弱いかを知っている。


「ごめん」なんて言葉で全てを許せるのなら、許されるのなら。

きっとこの世界は、傷付ける言葉が簡単に飛び交って、「ごめん」って言葉が簡単に飛び交って。

言葉は、そんなに安っぽくて、軽いものじゃない。


…じゃあ、どうやって、人は許し許され合うんだろう。

私は、どうすれば、どうしてもらえば、華ちゃんを許せるんだろう。


私は、弱いから、心を閉ざした。

華ちゃんも弱いから、心を誤魔化した。


弱いなら、何をしても許されるの?

弱いなら、甘えていても許されるの?


私は自分は弱いと誰よりも自負する事で、自分の甘えを許してきたの?
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