君の声が、僕を呼ぶまで
「どうしたの、夏野さん、怪我?」

「あ、はい、擦り傷と…捻挫…」

「あー、これは腫れるかもねぇ。消毒とテーピングは冬島君が?」

「はい」


「うん、上手。ありがとうね」

「いえ…」


いつの間にか降り出した雨は、本降りになってきていた。


「冬島君、夏野さんを送ってあげられる?」

「は、はい、大丈夫です」

言わなくても、送ってくんだろうけど。


「夏野さんも、念のため、明日は学校来る前に病院行っておいで」

「分かりました…」

「はい、気を付けて帰りなさい」

「失礼しました」

真っ赤な顔で、たどたどしく、支え支えられしている2人。


桜子の友達と、部活の先輩だっけか。

まぁ、いいけどね。
< 75 / 389 >

この作品をシェア

pagetop