幼馴染と溺愛!?疑似結婚生活!


病院からの連絡は、お義姉さんの入院についてだった。
瞳さんは二度目の出産だけど、一回目も切迫で入院してトイレ以外ずっと眠っていたのを思い出した。

ということは、葵くんはお義姉さんの家でしばらく預かるのかな?

うちの実家からは病院遠いし、お母さんはまだ働いてるからお世話無理だしなあ。

結婚どころかお相手さえ居ない私がそんなこと考えても仕方ないんだけど、色々考えながら産婦人科に到着した。

保育園の戸締り等は同じ当番だった人が引き受けてくれたので素直に甘えさせてもらい、
自転車で飛ばして10分もせずに到着した。
既に表の入りうちは閉ざされ、隣の小さな玄関にあるインターホンを鳴らして入った。

「遅くなってすいませんっ」

「いえ。今貧血で横になってますので起きたらお伝えしますよ。それよりも――」

出てきた助産師さんは、子どもを抱き抱えていた。


「葵くん!」

「みゆおねえちゃんっ」

葵くんは私に両手を広げて伸ばして来たのですぐに抱きしめた。
お兄ちゃんの子どもの時にそっくりで、すらっとした手足に、整った顔立ち。
サラサラの真っ黒な髪が、私を見て大きく揺れていた。


< 3 / 172 >

この作品をシェア

pagetop