【溺愛症候群】
「……楽、しようとするな?」
「……ばれたか」
ちぇー、と言いながら唇を尖らせる智と肩を組むように腕をかけ、
「俺の席とっといてくれるなら、許す」
と、耳元で囁いた。
「ん、とっとくとっとく。じゃっ、食後に部屋に集合ってことで」
現金なもので、智はそう言って人の中に消えてしまった。
頼まれると断れないこの性格、直らないかな。
ふぅ、と息を吐いて、目当ての人物たちを探すことにした。
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