【溺愛症候群】



 東向きの窓から、さんさんと降り注ぐ朝日が襟足にあたる。


「おはよ。席は指定じゃないんだ?」

「みたいだな。ま、座ったら?」

「うんにゃ、先にトイレ行ってくる」


 荷物を智に預け、教室から出るとき、正面に人影を認めた瞬間。


「!」


「わゎっ!」




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