【溺愛症候群】



「次は4班の出し物です。では、どうぞー」


 司会を務める先輩が笑顔でマイクを智に手渡す。


「えー、俺たちの班はロシアンルーレットをやりたいと思います。皆様、番号札はお手元に回りましたでしょーか?」


 畏まった口調だが既にゆるい態度で説明する智の声を聞き流しつつ、着々と用意を済ませる。


「今から4人が同時にある食べ物を口にします。その中で当たりを食べた1人を当てていただく、という単純明快なルールです。3回全て正解したら……特に何も出ません」


 軽快な説明に会場に笑いが起こり、やっぱり智はこういうのに向いてるな、と思う。


「じゃあまずは1回戦! いきなりですが俺も参加するので司会かわりまーす」


 ほい、と会場の笑い声と共にチィにマイクが渡り、智もマシュマロを持つ。



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