湖都子のポエム6

辛かったのは私だけじゃなかった


私と同じように辛かったんだね
後悔だけはダメだよ

気持ちを信じられなくてゴメン
自分の不幸さに酔ってだけなんだ
あなたの辛さに気づいてなかった
___________________________________________
新しい生活を始めて1週間。なんとか順調に暮らしている美緒

そんなある日、夢を見た。ママが……「あの人の所に行ってあげて……」パパのことだと思った。

一応、パパのマンションに行くことにした。扉を開けた美緒の目に飛び込んできたのは…ゴミが散らかり、荒れた部屋だった。いつも綺麗な部屋だったのに……

パパは……ソファーで酔っぱらって、寝ていた。寝ているうちに、部屋を片付けていると、パパが起きてきた。
「……美緒……なんで……ここに……」
「なんで……こんな生活を……」
「美緒に捨てられたら、俺には……もう何もない……」
「私は捨ててなんか……幸せになってほしかっただけ……」
「美緒といられるだけでよかったんだ。辛いことを忘れることができたんだ。」
「そんな……私は何もしてないよ。迷惑かけただけで……」
「美緒といられるだけでよかったんだ……いなくなったら、辛くて……辛いことを思い出して……」
そんなこと言われると、気持ちが揺らいじゃうよ。一緒にいない時も、私のこと考えてくれてたんだね。ママを失って辛かったのは、私だけじゃなかったんだ……
「……そんなにママのこと……まだ未来があるのに……」
「そんなこと言うなよ。世の中、そんな男ばかりじゃない。俺にはアイツだけなんだ。美緒は大切な娘なんだ。」
そんな風に私のこと考えてくれてたんだね。
「今の関係を壊したくない。じゃないと、美緒までいなくなっちゃう……」
「いなくなんてならないよ。わたしにとっても、大切なパパ……だよ」
「俺が美緒を離さない。俺の隣にいてくれ……」
そんなこと言われると、拒否なんてできない。
「でも、何度もこんなことがあると、嫌いになっちゃうんだから……ね。」
「美緒を失うことになるかもって……ビビってた」
パパが……?
「そんなことないのに、パパはパパだよ……」
すごい嬉しそう。そんな嬉しそうな顔……しないでよ……
「俺のこと嫌い?」
「別にそんなこと……」
「ちゃんと俺のこと見ろよ……」
「な……何……言って……」
「パパのこと、好きだから……」
「ずっと一緒にいてくれる……だろ?」
「私で……いいのなら……」
「じゃあ、ずっと一緒にいて……」

でも……やっぱり……あなたなは未来がある……


< 25 / 99 >

この作品をシェア

pagetop