PromiseRing
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「浅井くん。
多賀谷社長を社長室まで案内、頼む」

「はい」

課長に頼まれ、席を立つ。
若干、まわりの視線が痛い気もしないが仕方ない。
多賀谷社長を狙っている女子社員は多いから。

多賀谷社長はうちの下請け的な会社の社長さんだ。

若くして独立し、業績も上々。
しかも独身でイケメン……とくれば、玉の輿をねらう女子が少なからずいるのも無理はない。
当の多賀谷社長は来るもの拒まず、みたいだし。

まあ、私は、そんなことに全く関心がないですけど。

 
一緒のエレベーターに乗り、十八階の社長室を目指す。
ボタンの前に立つ私の後ろに、多賀谷社長。

……けど。
近くないですか?
ほかに人、乗ってないんですけど。
パーソナルスペースって知ってます?

心の中でそんなつっこみを入れていたとき。
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