私のご主人様Ⅱ

ニコニコしてる伸洋さんが悪魔に見えた。

「って、もうマジで行かなきゃ。ここちゃん行くよ!」

「!?」

手を掴まれたと同時に引っ張られて玄関に連れて行かれる。

え、本当に行くの?…せめて昨日のうちに言ってくれればいいのに!!そしたら昼の下ごしらえくらいやれたのにっ!!

あまりの唐突さに振り回されてばかりだ。

「きゃ~!ことねぇかわいい~!!」

伸洋さんに連れて行かれるままに玄関に着くと、弾丸のごとく梨々香ちゃんが飛んできた。

びっくりしたのと苦しいのが一気にきて、とりあえず離れてくれるように梨々香ちゃんの肩を押す。

「梨々香、遅刻するぞ」

「っそうだけどっ!!あ~ケータイないし!!ことねぇと写真とりたぃぃいい!!」

「…」

梨々香ちゃんを誰か止めてあげてください。
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