私のご主人様Ⅱ

「それじゃ、運ぼう。若には6時まで帰ってくんなって連絡したから。あと1時間で準備終わらせよう!」

調子を戻した伸洋さんは、パンッと手を叩いて切り替える。

あと1時間なら余裕かな?

広間に大移動です。いつものワゴンがないから効率が悪く何往復もする。

「琴音ちゃん、大丈夫?」

「コクッ」

「お前飾り付けやってれば?」

「プーッ」

そんなに貧弱じゃないもんね。

4人でとにかく運んで、全部終わってからきれいに並べる。

お誕生日会の会場としては上出来かな?

伸洋さんも満足気な顔で笑ってくれた。

「ここちゃんありがとね。お嬢喜ぶよ」

「伸洋さん、はじめっから俺たちにも声かけてくださいよ」

「琴音が1人でやることなかったんですし」

「それは~すまん」

奏多さんと暁くんにたじたじな伸洋さんは珍しい。そんな光景に少し笑みが浮かんだ。
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