私のご主人様Ⅱ

「若、本気?そんなことしたら、ここちゃん本当に壊れるよ」

若の部屋のドアをノックする直前、伸洋さんの声が聞こえて体が動きを止める。

なにを話して…。

無意識に気配を殺して耳を澄ます。

「使えねぇなら、仕方ねぇだろ」

「でもさぁ、若も悪いんじゃない?若と出てってからおかしくなっちゃったんだし」

「脅すようなことは言ってねぇ」

「なら、なに言ったのさ」

「琴葉と呼んだ。自分を卑下にするなと言っただけだ」

コトハ…?そう言えば、親父さんもコトハって呼んでたような気がする。

琴音ちゃんの本名?なんで若は偽名で呼んでたんだ…?

「それだけでどうして今までで1番重い症状が出る。このままなら使い物にならねぇだろ」

「だからって、ここちゃんで遊べないでょ。若は出来るかもしんないけど」

「お前はできねぇって言うのか」

「俺は嫌だ。ここちゃんは喋ってからかうのがかわいいから。それに、欲の処理はここちゃんを連れてきた理由じゃないし」
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