私のご主人様Ⅱ

その日、ソファーに座るなり寝てしまった琴音ちゃんをベッドに運ぶ。

起きたばかりなのに暴れまわったから…。

でも、これで油断しちゃいけないんだって自分に言い聞かせる。

今までもぎりぎりのところをさ迷っていた琴音ちゃん。

倒れたりパニックになった後でも元気そうだったから油断して、琴音ちゃんが追い込まれてるのにも気づけなかった。

今回だって、もう大丈夫じゃないかって油断して、薬をやめてから2週間でこれだ。

もう油断しないように。琴音ちゃんが立ち直れなくなってしまわないように。

「俺たちが守るから、壊れないでね…」

寂しいなら傍にいるから、どうかキミが壊れてしまわないように。

いつの間にか湧いたのがなにか分からないまま、ただ琴音ちゃんが笑って傍にいてくれることを望んでいた。

奏多said end
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