私のご主人様Ⅱ

苛立ち


「はいお疲れさん。荷物教室に入れとけよー」

全てのテストが終わり、ざわつく教室に響き渡る先生の声。

その声にぞろぞろと廊下に出て、かばんを手にまた教室に戻る。

「葉月さん、どう?」

「マル!」

両手で丸を作って見せると、笑われたような気がした。

「麻夏、あんたやるじゃん!」

「ッ!?」

唐突にかけられた声と共に、麻琴さんが麻夏くんの背に飛び付いた。もちろん麻夏くんはものすごい勢いで振り払って麻琴さんを睨み付ける。

「何すんだよ麻琴!」

「誉めてるんだから照れないの~。琴音ちゃん、こんなんだけどよろしくね」

「コクン?」

「あと…さっきはごめん。助けれなくて」

急に勢いをなくした麻琴さんに目を見張る。

さっきというのは、高崎さんのことだろうか。

もしその事なら、仕方ないと思う。あの場で麻琴さんが入れば、高崎さんは輪に入ろうとしてきただろう。

むしろ、あそこで割って入らない方が正解だ。
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