私のご主人様Ⅱ
「助かった。ありがとな」
「!」
首をブンブン横に振る。だって、あれは私の憂さ晴らしでもあったんだもん。だから、お礼を言われても困る。
「お前、なんで解けた」
「…」
なんで…と言われても。
少し悩んでタブレットに打ち込む。
『以前叩き込まれました』
「誰にだ」
『当時のメイド長に?』
陣之内の奥様に仕え始めた直後、奥様に仕えるならこれくらい当たり前だと言われて叩きつけられたセンター入試試験問題集。
全問正解できるまでバカにされ、仕事を山のように押し付けられた。そのせいで身に付いたもの。
気づいたら高校の授業内容終わってたと言う恐怖だ。