旦那様と契約結婚!?~イケメン御曹司に拾われました~



今回のビーフ系メニューも最高……。

メニューの入れ替えがあるのがちょっと寂しいけど、新しいメニューがまた美味しいから通っちゃうんだよねぇ。



「はぁ……幸せ。毎日ここでごはん食べたいなぁ」

「無理無理。ただでさえ収入のほとんどが食費に消えてる杏璃が、毎日こんないいところで食事してたら生活出来ないって」



うっとりとこぼした私のひと言を、結花は笑って一蹴する。

そして「収入と言えばさ……」と思い出したように仕事の話を始めた。



通っていた短大の同級生という縁で出会い、今では小さな雑貨メーカーで事務員として働く私と、大手食品卸会社で受付嬢として働く結花。

それぞれに溜まった一週間の話題や愚痴を吐き出す時間としても、このランチタイムは大切だ。



その話の合間に、もぐもぐと食べお皿をどんどんと空けていく。

するとそんな中、突然周囲の空気がザワッと静かなにぎわいに変わったのを感じた。



「ん……?」



一ヶ所に集まる女性客たちの視線につられるように目を向ける。




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