天国のお母さんへ
親の離婚
親が離婚した。一歩も私も
“邪魔な子”
になってしまった。
でもそれは私が生まれてくる時から
きまっていた事なのかもしれなかった。

両親は私が物心ついたときには、
すでに仲が悪かった。
いつもどっちかが怒っていて、
いつもどっちかが私達に当たる。
それが日常だった。
今まで私が生まれて15年、
なぜ一緒に住むことができていたか
私にはわからなかった。
あるいは、私という存在が
あの二人の愛を邪魔していたのかもしれない。
親が離婚を決意したのは
私が芸能界で目立つようになってから
ちょうど2ヶ月がたった日だった。
わたしは人より歌がうまかった。
と言っても、
“歌手”になれるほどうまいわけではなくて
中途半端だった。
しかし私は母親似で人より
容姿がちょっとだけ優れていた。
中途半端な歌のうまさと
容姿がちょっとだけ良かったことから私は
アイドルグループに入れることができた。
グループだったら多少は誤魔化されるかなぁ。
というのが私の考えた結果だった。
でも予想外な事に
私はものすごいスピードで売れた。
一気に家は裕福になった。
でも、お金が入ってくると同時に
家族の愛が亡くなっていった。
それは、
家族でいることができなくなる
ということだった。
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